残念な事ですが・・・

非常に残念な事ですが、建築業界、特に水まわりのリフォーム業界は悪徳業者が蔓延しています。
何年か前にテレビや新聞等で話題になって以降、少なくなってきたとはいえまだまだ多く耳にします。

一部のそういった業者のおかげで、リフォーム会社に不信感を持った人もおられると思います。
毎日のようにかかってくる電話。会社名は一切言わず、まるで電力会社や水道局からの電話であるかのような言い回し・・・

最近は女性の方でも電話してきます。こちらが『結構で・・』とまだしゃべっているのに、ブチッと切られます。
そして強引な訪問販売。なんとか玄関口にまで来させようとあの手この手できます。

こういった業者は皆、ご老人や母子家庭をターゲットにしています。

 

先日、お世話になっているリフォーム会社から

『急で申し訳ないんですけど、今すぐ給湯器の交換をお願いしたいんですが』
と連絡がありました。もともとその家の給湯器工事はずっと先の予定だったのですが、
どうも昨日『お湯が出なくなった』らしい。

 

今年一番の寒い日で、この大阪でも雪がチラチラ降ってました。
その日は他のリフォーム工事をしていたのですが、『こんな寒い日にお湯が使えないのはさすがに忍びない』
という事で急遽むかうことになりました。

 

現場に着いてみると、屋根から貯湯式のソーラー、隣には石油式の湯沸かし器が給湯器につながっていました。

『もう壊れているので、それはそのままにしてください。』

とのことでした。撤去するだけでもかなりの費用がかかります。
そのままにという事ですので、給湯器につながっているパイプなどを除去して、新しい給湯器を取り付けました。

『いつから使えるの?』

施主であるおじいちゃんが聞いてきました。

『もう使えますよ。昨日は大変でしたね』と答えると

『ありがとう。ありがとう。』と手を合わせながら言ってくれます。
そして、『寒いからコーヒーを飲んでいけ』といわれました。『お構いなく。』と答えたのですが、
そんな気持ちをむげにすることもできないので、いただくことになりました。

 

お台所にいってみると、、、
大きな浄水器、生ごみの処理機?、食器洗い機?らしきものがありました。
『これは?・・・』と聞くと『もうみんな壊れている。』『もうこの会社と連絡もつかない・・・』と答えられました。

この現場に着いたときから悪い予感はありました。屋根のソーラーにしても石油の湯沸かし器にしてもあまりいい工事ではありません。
そして、台所には数々のあまり見慣れないメーカーの物・・・

 

訪問販売です。かなりの悪徳業者です。勿論、すべての訪問販売業者が悪いと言っている訳ではありません。
ですが、このお宅はすべて法外な値段で工事されていました。

 

『断じて許せない行為です。』

もう何年も前の工事だそうですのでそれ以上は聞きませんでした。
『もし、このような業者が来てちょっとでも不審に思ったら、いつでも電話で聞いてください。』とだけ言って帰りました。

 

こういう話はまだしばしば耳にします。
今は訪問販売法もあります。消費者センターもあります。
もし少しでも不審なら、私共に電話で聞いて頂いても結構です。

 

私共は誰にも恥じることない誇れる仕事を目指しています。

大手リフォーム会社の下請けを経験して・・・

何年か前の事ですが、あるリフォーム会社の下請け工事をしていました。

関西ではわりと有名な会社で、社員の方も皆若く、店長も私の息子とそう変わらない年齢でした。

大きな会社でしたので工事依頼も非常に多く、他社様からの工事依頼もほとんどお断りしている毎日でした。

ただ、営業さんのミスが非常に多く・・・

工事日に商品が届かない、

商品が間違えている

等はいつもの事で、工事業者は皆大変でした。

 

私共の負担も大きかったのですが、仕事が非常に多かった事もあり

営業マンの経験も浅く、失敗するのも仕方ないな・・・と我慢していました。

 

ある日、キッチンの工事をしていると、店長から電話がありました。

「明日の現場の着工の事ですけど・・・」

「○○邸の事ですか?」

「いえ違います。」

「では××邸の事ですか?」

「いえ違います。」

当時、私共は同時に2軒が精一杯で、以前から○○邸と××邸の工事は決まってました。
ちなみにこの店長は2軒とも自分の店の工事なのですから、把握しているはずです。

 

私は

 

「すいません。その現場は初耳なのですが・・・」

 

というと

 

「いや、言いました!」

と譲りません。

 

そもそもリフォーム工事を口約束で仕事している訳ではありません。

何日も前に工事依頼書を頂いて、予定を立ててから工事の承諾をします。

勿論、予算の事もあります。予算がなければ工事はできません。

 

あまりの忙しさに工事を依頼するのを忘れたのでしょう

前日まで工事を依頼していないなんて、信じられないかもしれませんが、

こういう事は度々ありました。

私は

「工事依頼書は頂いていないのですが・・・」

と言うと

「もう、いいですわ!」

とブチと電話を切られました。

正直、腹が立ちましたが下請け業者の立場上何も言えません。

この店長はまだ20代。

社会経験がまだ浅いといえこれではまるで子供の様です。

私はこれまで数々のこの会社の営業マンのミスをカバーしてきました。

今回も「すいません。工事依頼を忘れてまして・・・」

と言ってくれれば、同業者さんに電話する事もできたのですが・・・

いや、やはりさすがに前日では対処できなかったでしょうが・・・

 

 

何時間か経って、違う営業マンから電話がありました。

この営業マンは○○邸の担当営業マンです。

「言いにくいんですが・・・明日の○○邸の仕事は他の業者が行く事になりまして・・・」

「はあ?」

「すいません。店長命令で・・・」

私は怒りを通り越えてあきれました。

明日の工事の為に準備した部材などたくさんあったのですが・・・

「そうですか、わかりました。」

とだけ言いました。

 

私は、協力会社がお互いに感謝しながら信頼関係を築けないといい仕事はできないと思っています。

大きな会社でしたので、なんの苦労もなくリフォームの依頼はありますし、
下請け業者などいくらでもいるわ・・・みたいな感覚なのでしょう。

 

事実、「あの客はうるさい」とかよく耳にしました。

仕事を依頼して頂いたお客様に感謝どころか、「うるさい」なんて・・・

 

 

リフォーム工事は高額です。

やはり小さな会社よりも大きな会社の方が安心なのかも知れません。

ですが、大きな会社ほど、利益はしっかりとっています。それは大量の広告にチラシ、人件費、店舗など・・・

当り前といえば当たり前ですが、利益率を高くしないといけません。

会社によって違いますが、売上の4~5割は必ず残すと決められています。

営業マンのミスや見落としがあっても、この利益率を崩すことはありません。

工事業者に頼みこんで負担させるか、お客様に気付かれない様なんとか誤魔化すか・・・

 

 

後日、聞いた事ですが、電話の後店長は

 

「あの会社潰したる!」

 

と言っていたそうです。

 

潰す・・・って・・・

 

私には家族もあるのに・・・

 

私はこの一件依頼、この会社からの依頼はお断りするようになりました。

たくさんの社員さんから依頼の電話を頂きましたが、すべてお断りしました。

辞めた時は仕事は激減しましたが、すぐに数社のリフォーム会社から依頼の電話がありました。
本当にありがたかったのを覚えています。

この経験が「お客様から直接依頼を受ける施工店」をはじめようというきっかけになりました。
いまでは「いい勉強になった」と感謝しています。