リフォーム工事の相見積を依頼する時に気をつける事とは
リフォーム工事をお考えになったら、工事を依頼する業者を選ばなければなりません。
・チラシや広告で探す
・ネット検索で探す
・知り合いの業者さんに相談する
など、さまざまな方法で探す事になると思われますが、実際のところ
「どのような業者がいいのかわからない」
と思われる方も多いと思います。
はじめてのリフォームの場合、「一体いくらぐらいかかるのか?」とわからない事ばかりです。
そこで、業者に依頼して見積もりを作成して頂くのですが、1社の見積もりだけでは、
「これは適正価格なのか?」
「この業者に任せてもいいのか?」
と不安になられる事もあるかもしれません。
そこで、「他の業者にも見積もり作成を依頼しよう」と相見積を依頼する事になります。
最近では、インターネットなどで、
「リフォーム工事は必ず相見積をしましょう」
と、たくさんの記事や集客サイトの広告などもあり、数社に相見積を依頼するのは、もはや当たり前のようになってきました。
私もやはり3社ぐらいには見積もりを依頼する事をお勧めしています。
リフォーム業者さんもいろいろあります。
大手建築会社さん、大手家電量販店さん、リフォーム会社さん、工務店さん、専門店などなど・・
最近はいろいろな業種からのリフォーム参入もあり、沢山ありすぎて選ぶ方も大変です。
ネットやチラシ広告をみても、某メーカーのシステムキッチンが「工事費込みで80万円」と表示されるチラシもあれば、同じシステムキッチンが「27万円」と表示されているチラシもあり、相場金額といっても全然わからないと思われている人も数多くいると思います。
相見積をするメリット
相見積を依頼するメリットは、やはり数社のお話が聞けるという点です。
リフォーム工事は商品だけでなく、お家の諸条件によって工事費が変わる場合がありますので、お見積りはお家を下見をしてから本見積りという事になります。
数社に依頼する事で、
・工事金額
・商品の説明やご提案
・工事の説明や保証の事
・会社の姿勢など
比較する事が出来るのが大きなメリットです。
上記のチラシにシステムキッチン「工事が80万円」と表示されている会社と「27万円」と表示されている会社の両方で見積もりをとってみるのもいいと思います。
27万円で工事ができるならば、80万円は高すぎますし、お見積りが80万円~になった場合は、あのチラシは一体何?って事になります。
リフォーム工事はお家によって条件が違いますし、選ぶ商品によっても変わりますので工事代金を表示するのは難しいですが、それでも極端に安い表示を掲載しているチラシや広告には注意が必要です。
実際の見積もり金額と大幅に違う場合は、やはりあのチラシはお問い合わせを頂く為にでは?と疑ってしまいます。会社の姿勢が問われます。
(余談ですが、リフォーム工事のチラシなどでは価格の表示が難しいものです。
さきに述べた、お家の条件や選ぶ商品(オプション)などで大きく変わる為ですが、大手家電量販店さんなどのチラシは、代金表示を分かりやすくする為に「○○セット」と商品をパックにして、標準工事で○○円と販売しています。
勿論、お家の条件や最低限の追加オプションで実際の価格は変わりますが、なるべく分かりやすくした反面、本来ならば細かな所まで選べる商品を「セット販売」にした事で選べる商品やオプションが少ないデメリットもあります。)
『相見積』をして頂く事で、なるべく予算が抑えられるとういうのが最大のメリットかもしれません。
相見積もりをするデメリット
残念ながら、相見積をして頂く事はいいことばかりではありません。
私は他社様と相見積をする事が多いのですが、いつも気になっていた事があります。
それは特に「他社でも見積もりしているから」と宣言されたお家に多いのですが、他社様の提案する仕様が皆、最安値の商品が多いという事です。
例えば、システムキッチンにはステンレスのシンクがあります。
天板は人口大理石が人気ですが、シンクはステンレスが価格的にもお求め安く人気です。
ただ、ステンレスシンクは傷がつきやすいというのが難点で、リクシルでは「デュアルコート」クリナップでは「美・コート」などステンレスシンクを保護するコートのオプションがあります。
弊社では必要だろうと必ず勧めるのですが、他社様のご提案する仕様でほとんど見た事はありません。
この「コート」は定価が25000円で実際には10000円ほどプラスになるものですが、あまり「相見積」を強調されると、価格が少しでも高くなるのは提案しにくいのではないかと思われます。
これは、システムキッチンに限らず、浴室やトイレでも同じで、
「他社より価格が高いと思われないように」
と価格の安い商品を提案している場合が多いと思われます。
私はせっかく20年に一度のリフォームなのだからと、いい商品をご紹介するのですが、「弊社だけ価格の違う商品を見積もりしているのでは?」と感じている事も多くあります。
相見積の最大のメリットがデメリットになっているという事です。
もう一つあります。
それは、5社に相見積をお願いした場合、最低でも4社にお断りをしないといけないという事です。
相見積なのですから、各リフォーム会社さんも断られる事も想定してますので、なんら気にする事はないのですが、断るにも意外と労力がいります。
そんな意味でもやはり相見積は3社ぐらいが妥当です。
相見積を上手にする方法
これは、相見積をとる上でデメリットにあたるのかはわかりませんが、
「他でも何社か見積もりしてるから」
と言われた場合と
「御社が好印象なので、今のところ他には連絡していない」
と言われた場合、どこの会社の営業マンも後者の方が俄然、燃えると思います(笑)
「なんとか期待に添えるように」
とお客様の要望に応えられるよう提案するのではないでしょうか。
勿論、相見積でも単独の見積もりであっても「リフォーム金額」は変わりません。
変わらないのなら、「相見積」を強調して言う必要はありません。
「相見積をするから」と言われるのは、親切心である事は皆、重々分かっていると思います。
「他でも見積もりはとってあるから御足労になるかもしれないよ」
と事前に教えてもらっている訳です。
その親切心を
「他でも見積もりしてるから、安くしろよ」
と捉えてしまう営業マンもいます。
先に述べました、基本的な「リフォーム金額」は変わりませんから、なるべく安い商品、安い商品と提案してしまいがちです。
単純に工事代金の比較をしたい場合は、ショールームに行きましょう。
ショールームでリフォームしたい商品の仕様を決めたら、その定価明細を見せて
「この商品にしたいのだけど見積もりしてください」
と頼めばいいと思います。
商品はまったく同じですから、リフォーム金額の比較はできます。
(※ただ、お安く見積もりされた会社に「なぜこんなに安いのか?」聞いておく必要はあります。
その理由に納得された上でご契約する事が大事です。
「安い=いい工事」ではありません。
弊社のような専門店が直接工事をするからとかの理由があればいいのですが、
「今回は思い切ってまけました」
では、下請けの工事会社が今回だけはと安く請け負って工事させられている可能性もあります。)
最後に
思いつくままに長文を書いてしまいましたが、相見積であれ、単独の見積もりであれ、リフォームの見積もりを依頼したなら「予算」は伝えたほうがいい提案ができると思います。
予算をいうのは躊躇われる方も多いと思いますが、50万円ぐらいしか考えていないのに、100万円ほどの商品をご提案をしたり、逆に最新の設備でリフォームをと考えているのに、最安値の商品をご提案したり・・・
納得のいくリフォームにしたいのでしたら、予算ははっきり言う方がいい提案がでてくると思います。
それでも、躊躇われる場合、
「ご予算は?」
と聞かれたら
「このお家の場合、浴室リフォームしたらどれくらいかかりますか?」
と聞きましょう。
弊社でしたら、
「このお家の場合、一番安くて50万円ほどですが、人気のある○○でしたら65万円~70万円くらいです。他に浴室換気乾燥暖房機などを取り付けると・・・」
と概算で答えます。そこで「65万円くらいで考えている」とか「浴室換気乾燥暖房機もつけて」とか言い易くなると思います。
どこのリフォーム会社さんもお客様と駆け引きしたいと思っていません。
できるだけご要望に応えたい、いい提案をしたいと考えています。